2026年6月21日(日)、大阪にて、「ともに認知症と生きる力を育てる ~ともにん~」ファシリテーター養成講座を開催しました。
昨年度、1年間をかけてプログラムの開発とワークショップのトライアルを重ねてきた「ともにん」。
2026年4月からは、第1期の認定ともにんファシリテーターによる地域での実践も始まっています。
今回は、1月に続く2回目のファシリテーター養成講座です。
認定ELCファシリテーター、または「折れない心を育てる いのちの授業」認定講師の資格を持つ方を対象に開催し、北は北海道から南は鹿児島まで、全国各地から27名が参加しました。
さらに、一足先に認定ともにんファシリテーターとなった9名も、運営や学びのサポートに加わってくださいました。
今回の最年少の参加者は、大学1年生。若い世代へ仲間を広げていくための、斬新なアイデアも寄せられました。
久しぶりに再会した方、オンラインでは会っていたものの対面では初めて顔を合わせた方も多く、会場は終始、温かな熱気に包まれていました。


認知症とともに生きるご本人やご家族は、
「なぜ自分がこうなったのだろう」
「これから、どうしたらよいのだろう」
「誰にもわかってもらえない」
といった、簡単には解決できない苦しみを抱えることがあります。
一方、支援にあたる人も、どのように関わればよいかわからず、距離を置いてしまうことがあります。
よかれと思って手を差し伸べても、相手の表情が晴れず、無力感を抱くこともあるかもしれません。
「ともにん」では、こうした解決が難しい苦しみを抱える一人ひとりの語りに耳を傾けます。
対話を通して、自分にとって大切な支えに気づくこと。
立場を越えて、それぞれの幸せを願い、自分のあり方を見つめ、言葉にしてみること。
ホスピスの現場で育まれた「ユニバーサル・ホスピスマインド」を基盤に、認知症とともに生きるご本人、ご家族、専門職、地域住民が、ともに学び合うプログラムとして、「ともにん」は誕生しました。

養成講座では、まず参加者自身が「ともにん」ワークショップを体験しました。
その後、高知県立大学教授の矢吹知之先生から、オンラインで特別講義をいただきました。
認知症施策の歴史的な背景から近年の動きまで、さらに、ご自身の豊富な経験をもとに、研究、教育、場づくりの実践に至るまで幅広くお話しいただき、私たちの視野を大きく広げてくださいました。
特に、認知症基本法に掲げられた「共生社会の実現」と、人権を基盤とした社会づくりの必要性について、改めて考える機会となりました。
また、支援や教育に携わる者の姿勢として、
「教え方上手ではなく、気づかせ方上手を目指す」
「無知の姿勢で、相手の主観的な真実に耳を傾ける」
ことの大切さを、折に触れてお話しくださいました。
さらに、「曖昧な喪失」や、ご本人とご家族の間に生じる認識のギャップなど、実践の場で向き合う複雑な感情にも触れていただきました。
安心して話すことができ、聴いてもらえる場をつくること。
そのための「心理的安全性」の重要性を、参加者全員で改めて共有する時間となりました。

「ともにん」は、知識を一方向に伝える講義ではありません。
物語やグループでの対話を通して、参加者自身が経験や思いを言葉にし、互いの声に耳を傾けます。
その根底にあるのは、
「人は誰もが苦しみを抱えながらも、支えとともに、幸せに生きることができる」
という考えです。
今回の養成講座でも、専門職、地域で活動する人、認知症のある人の家族、学生など、それぞれに異なる背景を持つ参加者の間に、立場を越えた対話と新たな気づきが生まれました。

「ともにん」は、これで完成したプログラムではありません。
ご本人やご家族の声、ファシリテーターの実践、ワークショップに参加した皆さまの声を受け取りながら、地域の実情に合わせて、これからも育てていきます。
今回参加した皆さまは、今後、マイプランの発表などを経て、認定ともにんファシリテーターを目指します。
皆さまと「ともに」つくり、育てていく「ともにん」。
認知症とともに生きるご本人も、ご家族も、専門職も、地域の人も、互いの声を聴き、それぞれが大切にしていることや支えに気づくことのできる地域を目指して。
新たな仲間とともに、「ともにん」の歩みを全国各地へ広げていきます。
ぜひ応援いただければ幸いです。

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